旧作アーカイブ5(二〇一六年四月)/石村
 
誤を経てこの後「二行詩」に収斂していく。読者諸兄にはどうでもよいことだが、改めて見直してみると作者自身には色々と興味深いものがあつた。}




  からつぽさんの唄


からつぽなのさ 僕らの心は
何にもないのさ ほんたうは
何を入れるも 何を捨てるも お望み次第さ
でもそれは僕ぢやない それは君ぢやない
ただの詰め物さ さうさ 心は 
からつぽなのさ ずた袋さ
ほんたうはね

それが僕さ それが君さ
だから君
君は君の夢を描け
僕は僕の夢を描く

色を塗りたきや 色を塗れ
黒でも 赤でも 黄色でも  
ゴツホのやうに マティスのやうに
線を描きた
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