オウト・ロック!!/ふじりゅう
 
老練さを思わせる道がある
枯葉や 桜の花びらや
皆が道に捨てていく 空き缶や言葉に出来ない音が
この見事な景観の礎となっていると思うと
一歩一歩を踏みしめる度に
新たな歴史を刻んでいる気分に浸れるんだ

入り組んだ思考へ 堆積した言葉に
潰されながら帰宅する
カーテンが閉じられ夕闇もまともに届かない
テーブルに、ポツンと置かれた小さなパン
付箋にか弱そうな字 「ごめんね」

お腹はぐうぐう鳴ってはいるものの
余りに固いパン半分で何故か空腹が満たされた
ごちそうさまも言わずに
自室へ引き篭る
毎日飽きもせず訪れる 明日までの余白を
余りに純粋なラブ・ソングで埋
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