並び立つことのないぼくらの歌/山下ヤモリ
シーソーがいちばん安定しているのは
ふたりがつま先立ちで並んだときじゃなくて
ひとりが空に足を広げもうひとりを想うとき
ひとりが地に足をつけもうひとりを想うとき
ぼくは空からキミが他人に見せることができる景色があると賛辞して
ぼくは地からキミが綺麗な世界に「とんでよかった」と思うことを願う
でもぼくらは人間で
航空機みたいに「絶対にとばないといけない」わけじゃないから
そうぼくらは人間だから
「とびたくない」と思ったら地に足をつけて休んじゃおう
キミは「それでも挑んで応援してくれる人に凄いものを届けたいんです」と地面を蹴る
ぼくは「それでも時々は地に足つけて自分の
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