橋の上から見た川面/
あおいみつる
皐月の爽やかな空のもと
あきらめ切れないどす黒い欲望が
私を飲み込もうとしている
虚栄と貪欲の渦の中に巻き込まれ
それを手放せば楽になれるだろうに
幸せになれるのに
我欲が、肉がそれをゆるさない
まるで黄泉の燃える炎
憤りと無慈悲
愛のない砂漠 闇
初夏の日差しのなかサングラス越しに
川面に映る魚の影を目で追った
のんびりと釣り糸を垂れたい
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