[:Modern Jesus/プテラノドン
 
Sと二人、町外れの森の前まで自転車で来た。
昼間、遠くで立ち上る煙を見つけたあいつに持ちかけられて、
ここまで来たのだ。
アイツは自転車から降りると
取り憑かれたように煙が浮かぶ方角、
藪の中へと駆け出したのだった。

不法投棄。古く、未知なる背景、
異様な誰かの軌跡、
ーそれを知ったところで何の役にも立たない。
もしくは偶然の産物か、
ー荒屋の前に置かれたドラム缶から煙が上がっていた。
Sは中を覗き込むと、ぶつぶつ呟きながら
ドラム缶を蹴倒した。
その拍子に
焼け焦げた石ころと、拳ほどの黒い塊が地面に転がった。
なんだよそれ、と訊くと
「心臓だよ!」とSは声を張
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