麦わら帽子/ふじりゅう
 
ゃないかな

飛び立った優しさが
稲の純朴を運んで
伝説を踏んでいって
黒くそまったあなたの指先を
ただ握っていた
ただ握っていた
あぁ 1年ぶりだね ここから

麦わら帽子から
零れた滝のような髪の毛から
まだシャンプーのいい匂い
あなたの純朴が運んで
新しい命をもたらすだろう
黒くそまった大地の輝きは
遊びじゃないってこと
物理も 数学も 天文学も 今日も
超えた力で愛を震わせていたい
大好きな麦わら帽子のこと
あなたは覚えてるかな
しょうもないプレゼントは
真っ白な箱から抱きしめられた
稲の純朴が大切な命を運んでいく
誰もが外へ飛び出しそうになる
別に変わり映えしない日光の差し方を
なにより嫌ってるから
ありがとうなんて
コンバインの喧しい音が
かき消してしまうからつぶやいたんだ

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