初化粧#2/ふじりゅう
 
ぼけた雲がニヤニヤしながら見下ろしている
2〜3時間の命しかないロウソクが
辛うじて火柱を存命させているような
静かな私たち
線香花火の真ん中で
大海を泳いでいる

誰も助言なんかしちゃくれない
遊び疲れて眠りだす家々
言葉でしか伝わらないこころを
言葉以外で伝えようとしていた
いなか電車がことんことん
遠くを過ぎるけど
静寂を一層駆り立てている

空想のキャンパスにありったけのバカな恋を描いて
君と私は今まるで火影のようだ
ほっぺを見たら正常な世界が爆撃されて
最後の火花がゆっくり散る様を
焦りすぎて見えてもいなかった

バケツから終わりの鐘が鳴る

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