くだる/るるりら
 
【さかくだり】
     
あの懐かしい橋を渡れば
蛙のひしめく道がある
いきものを ころさないように
体が傾むく川下にむかって
足をゆっくりと あるく 

あの懐かしい橋を見下ろせば
大雨の日に流れていた大木が見える
身を乗り出して声を立てて笑いながら
激しい濁流を眺めてみると大人は怒る

あの懐かしい橋のむこうで
こどもたちは 喧嘩して仲直りもせず
こどものままで いまも 住んでいる
きょうもあの子は言う
「おまえんちの家の前の空き地は
むかし なまくびがならべとったんど
じゃけえ おまえんち のろわれとるんじゃ けけけ」

妖怪のような いたずらを
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