九分九厘、最終出口/ホロウ・シカエルボク
 

行方不明者の残した手紙は
どんな気持ちで読めばいいのかわからない
閉じ込めた引き出しは空っとぼけている


ソプラノのリコーダー、その割れた吹き口の残骸、観賞用のナイフみたいな役立たずの形状、いつまでも見下ろしているととらわれるような気がして、滑稽なくらい狼狽えて逃げ出した、いまだってなにが違うのだ、横たわるそれとおまえは…廊下は長過ぎて、足取りはおぼつかな過ぎて、いらだちは足音のたびに増えていく、リノリウムを跳ねるゴム底の嘲笑のような摩擦

速度が結果への近道だと思ったら大間違いだ

プールサイドのまぼろし
教えてもらったお気に入りのメロディーを
思い出しながら辿ってい
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