哀しいけものの鳴く声を聴く/秋葉竹
霜、踏む、朝
青空をバックにしても
こころが壊れて寒いとき
こんなまんまじゃ屍人じゃないかと
泣きたくなってもこらえた見栄でも。
その夜更け。
弓張月を仰ぎ見て
心に舞う蝶、静かに回る
暗めのランプにくるくる集って
灼かれないよう音もなく舞う
夜を徹して舞う蝶の
静かなやさしいこころの指は
明るい朝日を掴みかけ
くるりん逃した、幸せよ来い
私と、あなたの、涙より
清い流れがあるのなら
心の汚れた過去まで流して
私を大事な想い出にして。
遠くまで、
覆う夜空に銀の河。
街をゆく声、哀しいけものの
オロロンオロロン鳴く声を
聞いてワルツを踊って眠ろう。
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