グッバイ/たこ
 
グッバイ

雲間から差し込む光が
ガラガラと大気を破壊しながら
明けて壊れてゆく
今はの極で
これまで積み上げてきたものは
皮膜のように薄くて硬質な
コンタクトレンズ

ように睫毛の先で
割れ、砕けて
散らばりながら乱反射して
舞い落ちてゆく

キラキラと
ウルルとハララは
ラプソディを
踊りながら
これまでの世に
別れを
告げるが
そんな
空虚も愛しい
冬。
どこにいくのか
灰色の空の先に
雪、溶ける、君、春
ひとりぼっちで
手持ち無沙汰の闇の中
すべきこともわからずに
不安げにあたりを見回して
ただ、
腰を下ろし
行く先に連れて行ってもらえるのを
待っている
ぼくわたし。
ウルルとハララは
きっと
そんなぼくらをせせら笑って
キリキリとおしゃべりしてるに
違いない
はりつめた
大気が砕ける
この日
何がはじまって
終わるのか
たぶん、
誰にもわからない
君とぼくは
どこかにゆくよ
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