夢でした/
印あかり
した
翌朝 すすきの海原の中に立ち尽くし
空を仰ぐあなたに
あなたに また会いました
それから
太りすぎた夕陽をふたりで背負いながら
星の絡まる暗幕を、引き摺って歩きました
どれくらいの間 黙って歩いていたでしょう
突然訪れた朝陽を
どうしたらいいかわからず
わたしたちはこわごわ触れていました
なんにも 無かった
幸せでないということが幸せでした
ええ 夢でした
あなたなど夢でした
わたしの目に耳に鼻に
生涯続く後遺症を負わせた
夢でした
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