欲望は漆黒のような深紅/ホロウ・シカエルボク
なものだ、コンサートで行われるコール&レスポンスのようなものだ、切れはいいがなにかの役に立つようなものではない、それによって得るものはなにもない、俺はカードの箱をさかさまにして、床に散らばったカードを模写するだろう、つまりそれがいま俺がやっていることだ、対象がカードではないだけだ、だからこそイントロダクションにはものが散乱したテーブルが選ばれた、なるほど、そう考えることは愉快だ、覚えておくといい、カードは52枚ある、それに、いくつかのジョーカーだって隠れている、カード・ゲームを知らない人間だって、ジョーカーというやつのことはよく知っていることだろう、だけどそいつだって、ジョーカーがカード・ゲームの
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