欲望は漆黒のような深紅/ホロウ・シカエルボク
 

狂気こそが真実を知る、あらゆるものが散乱したテーブルの上には、デフラグされた混沌の形跡がある、指先が本当に触れたいのはキーボードではない、その先にある脳味噌の最深部だ、聞け、正常にこだわるのは愚かしいことだ、理性は本能を超えることはない、だが、本能で理性を研ぎ澄ませることは可能だ、感覚とは本来制限のないものだ、主旨を持つ指先はそれに沿うものしか掴むことが出来ない、(爪切りが欲しい)と願う時に、爪切り以外のものが目に入らないのと同じことだ、爪を切ることが目的ならそれで問題ない、だが、真実はそうはいかない、望むものに触れることは結論ではない、それはただのお飯事に過ぎない、目に見えるものを正確に認識
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