大きな川を渡る/相田 九龍
 
仲間入り

僕は少し一人で、たまに一人じゃなくなる方法を知っている
僕と君って違うよね、って思いながら、僕らって言う

僕らってさ、
まだ不器用だね

高速道路に乗って、トンネルを抜ける
まっすぐで頑丈な橋の上、大きな川を渡る
夕焼けの薄紅に、空も川も染まる
僕と違う場所にいる君を思いながら、僕らって思う
僕ら、
って思う

一人の部屋で、少し忘れかけてた歌を歌う
意味がリズムとメロディに合わせて踊る
いつかから、群青の今を思う
これは、今に捧げる歌

大きな川を渡る、みたいに
たまに手紙を書く
小さな字で、ありがとうとごめんねを書く
言葉は綿あめみたいに、ハリガネを包む
書くことなんてあんまりないんだけど
小さな字で、ありがとうとごめんねを書く

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