リサイクル・ミー/クリ
 
イフルを投げ捨てて砂浜に上陸した
数万羽のペンギンが一列横隊する光景は
無限に連なる水子地蔵を思わせた

その後僕はブラキストン線を越えて森の中に踏み入ったのだが
ここでもまた別の感慨を抱かざるを得なかった
以前死んだときにまさにこのような森の中に埋葬された
樹木の根毛から徐々に僕であったものが吸収されていった思い出
バクテリアに分解され ミミズに摂り込まれていった記憶
そしてそれらは次々に食べられ やがては
今の僕の体の中に少しだけ戻ってきた
「おかえり」
死は 再生のスタート地点であると
海と大地と森と空は 僕らの百万年の遊び場であると
しみじみ納得する僕の目に 森の奥でキラリと瞬くものが映った

それは はぐれたゴルゴ・ペンギンのライフルスコープであった
「いってきます」



                                                              Kuri, Kipple : 2005.03.30
とても未詩です

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