リサイクル・ミー/クリ
海を見ると抱くあのときめきは
回帰してしまう恐怖と隣り合っているのかな
曇天のもと じっと目を凝らしていると
今にもゴルゴ13の顔をしたペンギンたちが
水平線までマトリックス状に押し合いへし合い
やぶにらみで屹立する幻に襲われる
それが現実であったとしよう この際
問題はペンギンたちの狙撃の腕がどれほどかということだ
例えば全員が僕の急所を外し すべてが致命傷に至らなかったら
僕は多分死ぬほどの苦しみを味わわなければいけない
というか死ぬんだけれど 猛烈な苦しみが嫌いなのだ
死への恐怖というのは半分は痛みへの生理的な怖れだと思う
水平線までイワシの缶詰のように並ぶペンギン全
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