それとはなしに/即興ゴルコンダ(仮)投稿/こうだたけみ
 
詩を書きはじめたきっかけはなにかと問われると小学校中学年の時にクレヨン王国月のたまごの主人公に憧れたからと答える。彼女の書く詩にはあんまり興味を持てなかったけれど詩を書く女の子にはとてもとても憧れたのだった。とかく夢見がちな幼少期だった。大千世界の仲間たちはいると思っていたしアウリンのついた本も実在すると思っていた(もちろんファンタージェンもね)。のはらうたとことばあそびうたが好きだった。友達は数えるほどしかいなかった。公園に一本だけ生えた柳の木に心ではなしかけていた。散歩の犬が集まる築山にのぼっては犬を撫でた。世界は、わたしの中だけで完結していた。

私が、未来の塊でなくなったのはいつのこと
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