旧作アーカイブ3(二〇一六年二月)/石村
に とどまつてゐよと――
それでも どこからか この
底ふかい 恐れがやつて来るのを
僕はとうに知つてゐる……そして お前も
さうだ ずつと昔にも こんな時があつた
そして その後 僕らに何が起こり 残されたのか
お前はどうして そこで 目を伏せる?
私の手にかさねた お前の手のひらに
わづかに強さがこめられるのを 感じながら
心は通ふ 歌からうたへと
季節は移る 夢から夢へと
そして麗らかな春が きた
(二〇一六年二月二十四日)
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