陽灼け/ぽりせつ
疑うことが すでに
信じることのはじまりなのだから
疑うことは やめにした
〈たいようまで の キ(き)ョ(よ)リ(り)は なんキ(き)ロ(ろ)メ(め)ー(え)ト(と)ル(る)だろう?〉
雑記帳の裏表紙が こともなげに問うている
ーーわたしはそれに 未だ答えられないままでいるーーー
新しい時代が終わろうとしている
爽やかな身体で入る 昼下がりの浴室は
かすかに 不孝者のぬくみがした
(銀座シネパトスでみた
海の花火という映画
名画座と風待港は どこか似ている気がする・・・ )
一枚残った絵葉書の
あの陽に灼けた沈黙が
日没だったのか 夜明けだったのか
わたしにはもう
わからない
深い傷を 探している
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