陽灼け/ぽりせつ
 
かべの絵葉書はもう永いこと陽に灼かれている

白い空に
白い海をまたぎ
白い太陽が 浮かんでいる
(しずかすぎる痛みは いつも
 もっとも深い傷となってあらわれたーー )

  わたしが生傷と親しかった頃
  世界は体力の届くところまで在ればよかった
  空白の雑記帳が 反逆的な誇りだった
  そのくせ
  箔押しの名入り鉛筆がうれしかった
  まぶしさの中にいて 眩まずにいた頃
  哀しいことなど何も知らず「泣く」ことは
  使いそびれた壮気を 清算 することだった
  明日は明日生きれば事足りた

『疑うことは何もない』
身勝手な自戒を 許してほしい

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