あなたがくれたもの/水宮うみ
 
ふとした瞬間に、思い出すのはあなたの笑顔だ。

あなたに焦がれるようになったのが、いつだったのかは分からない。
出会ったときからだったような、もう二度と会えなくなってからだったような。
笑っているあなたを初めて見たときからだったような。
あなたはとっても不器用に、全力で生きていた。
頻繁に物とぶつかり、人とぶつかり世間とぶつかり、走って転んで跳ね回って暮らしていた。
息をつく間もなくあなたは生きて、そして去っていった。

だけどあなたは、消えた訳ではない。
あなたはぼくの心に、あなたを置いていった。
勇気がでないとき、あなたが背中を押してくれる。
涙が止まらないとき、あなたが隣で寄り添ってくれる。
あなたはぼくの灯になった。

あなたと、未来を生きてゆきたい。
そしてここにある灯が、誰かの星になればいい。
ぼくが笑っているとき、あなたも一緒に笑ってくれている気がするのだ。
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