家族は唐揚げ/石村
ンギン
男は故郷
女は海峡
バハマは不況……」
それから
えー――――
違ふ
さうぢやない
言葉遊びではないのだ
「家族は唐揚げ」は
そんなうすつぺらな
上つつらな
響きだけの 調子がいいだけの
一句ではないのだ
ことによると俺は
宇宙の深奥 秘中の秘に迫る真実
神の一句を手にしてゐる
かも知れないのだ
これを駄洒落や語呂合せの一部に
埋れさせてしまへば
末代までの恥辱とならう
しからばそれはメタフォアか
はたまたシンボルか
いづれにせよ何らかの観念を
表象するものか
否!
否、否、否、否!
「家族は唐揚げ」は
修辞で
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