旅/パン☆どら
アンクはアンクであり続けるだろう
何一つ抽象となることなく
何一つ具象することなく
いつでも和解を求めようとする
愚か者の伝統は
自由であることだ
だがそれほどまでに
知が重い鎖となりうるだろうか?
キミのお供は吠えるばかり
それが危険なのか幸運なのか
これっぽっちも教えてはくれない
求めているのは深淵だ
それが何かは教えてくれなくていい
足さえ踏み外さなければ
山々の先には崖があり
その先にはさらなる深みがあり
もっと先には高い高い崖があり
たどり着いた先には湖があり
河があり海があり
いつか冥界へと続く
一つの端を探して
言葉を失い視界を失う
魂を人として見る時に
あらゆる自由は死滅する
旅立つキミよ
いつも自由であれ
待っている人はこの世にはもういない
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