吠える犬は繋がれるか処分されるものなのに/ホロウ・シカエルボク
の裏をじっと見つめていた、勢いがなくなれば追加して―まるで念入りに制作された退屈の具現化だった、だがそんな行為も、彼にとってはなんらかの意味があるのだろう…「アメリカン・ビューティー」だったか、風に舞うビニール袋のショート・ムービーを思い出した、彼の手のひらは風に舞うビニール袋によく似ていた、俺は彼のことが心配になった、彼はまるで楽しそうには見えなかった、あらゆるものから小さな断層によって隔離されているみたいに見えた、そんな光景は俺に自分の昔を思い出させた、ジグソーパズルに紛れ込んだ別の絵柄のピースみたいな気分…俺は公園を立ち去ることにした、電話の約束は先延ばしにしたところでべつに支障ないだろう、
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