冷たい七面鳥/ホロウ・シカエルボク
滑落した真夜中の亀裂の底辺に横たわり
衝撃の中で朧げな幻想を見ていた
ままならない肉体のどこか入り組んだ場所で
仕切り直しよりもシャットダウンが要求されていた
そこは氷山の中心のように堅牢で
あらゆる存在は存在し続ける以上の意味はなかった
ある意味でそれは現実という世界の
もっとも理解し易い抽象画のようなものだった
ビートルズが流れていた
ジョージ・マーティンが切り貼りしたアルバムさ
その余韻がまだ続いていた
欠伸交じりのギターが泣いていたところだった
音楽は要らないもの、だから必要とされる
俺は架空の氷山の内壁に
思いついたフレーズを彫り残した
天井
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