トロッコ問題/Sisi
 
この矮小な世界の
ドア付近に立っていたので
わたしは一度この世界から降りねばならない
何を厭うこともない
のちに改めてやってくればよいのだ

しかし入る隙がすでになく
乗り込むことを拒否されたらどうだろう
なまぬるい沈黙と無関心が
世界の外へと
三人ほど
置いてけぼりにすることを公然とするのだ


直面しなければならない
動物的な勘をもって
イメージの欠如した想像力を
満たさなければならない

さもなくば、
まさか当事者となり
締め出されてしまった小さな兎は
スマホを握りしめ立ち竦むしかないでしょう


考えてみればそんな世界
なんの未練も
愛着さえない場所なのに








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