ある面影の臨終に際して/Sisi
 

時よ止まれ


未だ少年達が眠る森の奥で
狼達の亡霊が悲愴な遠吠えをあげる
彼らを悲しみのうちに留めてしまったのは
恐らく私の責任なのだろう

瑞々しさを失った庭園は
朽ちてゆくドライフラワーのように密やかに微睡み
少年達の眠りを妨げぬよう
夕焼けの祈りは空の海へと向けられる

皆が笑っている
誰かは泣いていたかもしれない
気恥ずかしそうに
私達は手を繋いでいた

皆が黙っている
誰かは呟いただろう
それを知っているのは
きっと私だけなのだ



肩越しの風に呼ばれて
私はその度に振り返ってしまった
回転木馬のように変わらぬ景色が

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