旧作アーカイブ2(二〇一六年一月)/石村
ひとつの魂を探してゐるんだ
お前たち 知つてゐるだらう あのひとは まだそこにゐるのか)と
途端にかれらはだまり込む ――
知つてゐる 僕はいつまでも そこにたどり着くことはないと
知つてゐる 君がそこで待つてゐたのは はるか昔のこと
夜をこめて 温かい雨がふり続く
僕はいつまでも歩き続ける ほのかに光る石畳をたどり……
夜よ明けるな
雨よ降り続け
この道よ続け 永遠に!
僕が君の窓にたどり着く朝まで
(二〇一六年一月二十一日)
冬が終はる前に
海へ行かう 冬が終はる前に
砂の上に お前の名を書かう
波
[次のページ]
戻る 編 削 Point(13)