レッスン1/ツノル
 
は魔王にも値する‥。
ふふ、これを機に世の中を支配できるかも知れない。
ひょっとして、この名前だけは歴史に遺るでしょうか?
おや?これはこれは愚にもつかぬことを。主は、ただ名を残したいという思いだけで誘拐したのか‥。
平地では酒池肉林と騒ぎ立てる。すでに花芽は開こうとしている。
どうやら、素晴らしい季節の前ぶれだと言いたいらしい。
ともすれば強い風が黄味色を帯びてきて、薄紫の香りに目頭が熱くなる。
表向きに庶民的な喩えと、過ぎた思考は過ちだらけなのだという。
ふるい氷河は流れ、いまはさわやかに通り過ぎるのを見過ごすしか方法もない。

戻る   Point(3)