分岐、気分で/N哉
パチ屋に並ぶおれBBに分岐する
そんな風に数えてみる
部屋いっぱいに暫定パンツが溢れるくらいに、たくさんの分岐したおれが正座
一人一枚、しっかりと幻想のパンツを握りしめて鎮座
(残念ながら、パンツ自体を握りしめていないおれは、遥か以前に分岐して赤の他人レベルに)
おれ、常にパンツ型のアメーバみたいに分裂してきた
毛穴から呼吸してみたおれ
眉毛に含まれた福毛を人知れず0.1mmほど静かに伸ばしたおれ
元カノを一瞬思い出して諦めたおれ
何かを思い出そうとして諦めたおれ
独り言をいいかけてやめたおれ
言っちゃったおれ
無限に増え続けるおれとパンツの可能性が、万華鏡みたいに
そうだな、万華鏡みたいに
そして、すべての分岐を収束させられなかった、別に選ばれたわけでもないおれが
それでもこれが選んできた結果なのだとか言っちゃってから
全力でくしゃみ
ごらん
パンツ、部屋に、空に、舞い上がる
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