ありえない、くそったれの夜にも/秋葉竹
この忌々しい
憎しみに満ちた
いつも苛立っている
人生を棄てたい夜もある。
そっと、だ。
人も、仔猫も、眠るコタツで
ここからはじまる春の風に寂しさが
青ざめていくのだとして。
信じてあげなくてはならない
それは夜に生きる天使を
その目で優しくみてあげなくては、
ならない狂った嵐一過の自然の哀しい裏切り、
に抑えこまれた
甘いハチミツの香りがする夜のこと。
そんな疚しい幸せならば
義務感にその身を削っても
絶望感に心を凍らせても
体を他の人に預ける信頼が
大好きなんだと言う嘘と向かいあえない
なんて、優しく響くんだ
誰
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