ありえない、くそったれの夜にも/秋葉竹
 

この忌々しい
憎しみに満ちた
いつも苛立っている
人生を棄てたい夜もある。

そっと、だ。

人も、仔猫も、眠るコタツで
ここからはじまる春の風に寂しさが
青ざめていくのだとして。

信じてあげなくてはならない
それは夜に生きる天使を
その目で優しくみてあげなくては、
ならない狂った嵐一過の自然の哀しい裏切り、
に抑えこまれた
甘いハチミツの香りがする夜のこと。

そんな疚しい幸せならば
義務感にその身を削っても
絶望感に心を凍らせても
体を他の人に預ける信頼が
大好きなんだと言う嘘と向かいあえない


なんて、優しく響くんだ



[次のページ]
戻る   Point(12)