書かれた−祖父/非在の虹
繰り返し
繰り返される夢
祖父という見た事の無いもの
二度と見る事の無いもの
無いものへの信仰
不知への限りない接近と離脱
長押(なげし)に上がった肖像の夢
不知への限りない接近と離脱
無いものへの信仰
二度と見る事の無いもの
祖父という見た事の無いもの
繰り返される夢
繰り返し
*
子供の傍らで
祖父が遊ぶ。
祖父の遊びは極めて単純で素朴だ。
自分の亡霊を追いかけているのだ。
子供の周りをグルグルと。
グルグルと。
祖父の胸元がはだけている。
肋骨の浮き出た胸が子供の印象に刻まれる。
しかし注目しているのは
肋骨ではなく乳首だ。
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