人生/
茶殻
瓦礫を前にして
あなたの手を掴んだ
握ったのではなく
テレビの中に入って
誰かを救いに来たのだと
そう縋らざるをえなかった
打ち砕かれた砂の城の
背に浮かぶ太陽は
録画ボタンの裏側のようで
私は今をもって
主役なのだと思った
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