追想/ルラ
紫色の 斜陽に
己を とらえ
枯れた 霊感を
意識に 濁す
知恵の 廃水が
病める 回路に
淀みを つくり
思考を 乱す
非望を 希釈し
心に 流れ
微熱が 気化し
目蓋を 曇らす
荒む 内界
自我と 人格の
瑠璃の 双璧が
止揚に 揺れる
昼の 暗黒と
火の夜を 過ぎ
神の 内部に
子宮を 築く
父なる 霊廟の
奇妙な 水飴に
苔生す 胎児が
微笑し 融ける
遡及の 惰性が
己の 塑像を
霧に 映ずる
輪廻の 臨界
魂は 未だ
赤い 嵐
霧を 払い
珠に 錯乱していく
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