崩落の朝、公園で。/ホロウ・シカエルボク
まだにそういうことに慣れていない、おいしい、というやつだ、迎合するべき、とされているものに迎合する気になんか一度だってならなかった、それは神の存在を欠いた信仰のように思えたし、なによりその中に安住して緩んだ顔をしている連中が好きになれなかった、それは世界というもののスケールを周辺のみに限定することですべてを知った気になっているような一種のペテンだった、例えて言うなら望遠鏡だ、覗いている部分はとてもよく見えるけれど、となりで首をナイフで狙われても突き立てられるまで気づきもしない、そういう種類の間の抜けた確信がまるで真言のようにまかり通る世界、そんなものを疑いもせずに信じられる連中が生きて動いているよ
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