崩落の朝、公園で。/ホロウ・シカエルボク
色を失くした冬の明け方、公園のベンチで俺は放置されて風化した骨のように横たわっていた…数羽の鳩が半径一メートルの辺りを、時折こちらを窺いながら思い出したように地面を啄んでいた、こちらがなにか食べるものをくれるかどうか、あるいはこちらが食べられるものかどうか、そういうことについてそれぞれが吟味しているみたいだった、食べられない、と俺は言ってみた、お前らにやるようなものも持っていない、と付け足した、そうかなぁ、と、一番手前にいたやつが首を傾げた、そして、最近はみんなそんなこと言うんだよな、とでも言いたげにそれまでの作業に戻った、やつらはなにかを投げてもらうことに慣れきっているのだ、そして俺はいまだ
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