白い暈/ルラ
 
己を 持続する
法則の サークルが
正常から 混沌へ
逸して 狂った

民謡や 数列が
混濁し 雑駁に
焦燥と 錯乱とに
情操が 破綻した

海馬を 蹂躙する
暗黒を 震源とし
砕かれた 頭骨が
相貌を 突き破った

抉られた 両眼は
歪に 修復され
多感な 複眼となり
人間を 見つめた

画壇の 娼婦が
彩管と 没した
暗い 唄の絵
苦悩の 深淵

怜悧な 少年と
古びた 常春藤
孤独な 少女と
蜜蜂の 青

視覚は 細分化され
色調は 再配合され
革易された 色神から
放流された 画像の卍

叙情には 神韻を
偉容には
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