よわい嘘つき/秋葉竹
 

(自覚は棄てるから、かまわないで)


爪を刺す
その心臓に艶めかしい
傷つけてから別れてあげるよ

手を出したい
憧れの人にはお酒より
大事な愛があったのでしたよ

凍りつく
世界が広がる光景が
咽び泣かせる極地にオーロラ

ただ逢いたい
アイツの想いは強いという
寂しいときはお互いさまです

迷わずに
君ひさびさに笑ったね
忘れられないみたいな目をして

滞る
人と人との触れ合いが
近づきすぎたら夜半に風吹く


切っ先を
アイツに向けたナイフと目、
心の中の、嘘、暴けない

そのあとも
迷わず頼りにするからね
君という名の優しさに触れると


君だけが
私のために、生きている
死なないでよね、かまってあげるし



(自覚は棄てても、かまってほしい、とか?)






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