黄金/後期
 
タンエビの裏(つまるところの背)との見事な接触を導く事となった。正解であった。ニッポンジンの美意識のなせる技か、オーバーヘッド.キック並みの宙空でのクネリは、スローモーション映像として視神経にギャンギャン伝達された。まさに間髪だった。間髪を入れない1秒もない無秒だった。記録の行き止まりであった。にもかかわらず、だから!ちげぇーって言ってんだろーっ!!ムムヒ的ムムヒがクロイワに変わった瞬間である。クロイワは、熊本出身である。バツイチである。四十半ばである。とても毛深い。だが、胸毛だけははえていない。スネ毛を擦って蟻の群れを作り出すのが好きである。それを人に見せるのがこの上なく好きである。身体中、蟻だ
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