新しい風/
坂本瞳子
掻きむしりたいほどのこの感情は
時間が忘れさせてくれることもなく
この心の底でいつまでもくすぶる
手のひらの痒みが消えないのと同じで
痒みを忘れることはあっても
またいつかやって来る
なにもかもが終わってしまえばいいのにと思うこともあるけれど
どうしたらいいのか分からなくなって
ただただ不安でいっぱいになって迎える朝もあるけれど
希望の欠片さえ見いだせないとしても
明日はやって来るから
向かい風には撃たれてやろう
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