春の雨/あおいみつる
 
宙に浮かぶ微粒子が絡みつき
微妙な感覚に少し酔っている
明と暗が交錯して交じり合い
闇の彼方に吸い込まれてゆく
愛を失えば全てを失う
そこにあるのは死そのものだ
独りで生きていくほどタフでもない
常に不安定な安全地帯で怯えている
想定外の痛みに何度も打ちのめされ
臆病者になり果てた
身動きひとつ取れない日々
恐ろしくて優しさにしがみつく
中途半端なところに安住し
本当の孤独の強かさに至れない
気楽に生きることのできない現実
それは生まれ落ちた時からの定め
落ちるところまで落ちても
孤立を拒み孤独を恐れる愚か者に
春の雨が降る

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