騒乱、喰らい尽くして/ホロウ・シカエルボク
 


打ち捨てられた死骸の硬直した筋肉は鮮やかな色身だけが失われていて、それはまるで土に擬態しようと望んでいるみたいだった、心配は要らない、それは必ず叶えられる、おまえがもっと失われ続けたあとに…耳打ちをするように背の低い草花どもが揺れ動く、騒乱、喰らい尽くしてこのおれは独りで立っている―冬の日は槍のように焦点のずれた両の黒目を貫く、なにかを見せないようにしているのか、あるいはなにかだけを見せようとしているのか?どちらにせよ眩んだおれには関係のない話だ―少なくともこの瞬間には、まるで…眼球には粘つく体液が絶えず絡みついている、それが時々おれを苛々とさせる、でもそれをどうこう出来ることなどあるはず
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