やさしげな審判/ツノル
 
オードリーの細い背中にあたまを擦りつけた。オードリーはうつ伏せになり、その余韻に眼を閉じていた。

「ごめん、やっぱり僕は明日ニューヨークへ帰る。どうしても、一度彼女に君との関係を告白しておきたいんだ。」

雷鳴はオードリーの背中を驚かしはしなかった。彼女は少し間をおきながらゆっくりと眼をひらいた。
それから笑みを浮かべると小声で話しかけた。

「そうね、、でも、あなたは本当に正直者だわ。嘘つきで厭なやつほど成功する人間も世の中には多いのに、、、その正直さに、わたしはあなたを赦すことにするわ。」

そう言うと、首を垂れて俯く彼の頬にやさしく唇を近づけた。









フィクションである。






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