聖堂/ホロウ・シカエルボク
不用意に感光した印画紙のように意識は白けていた、くすぐる程度の電流がどこかでずっと思考を脅かしているみたいで、俺は実質丸められて捨てられたジャンクヤードのカーペットと大差なかった、すぐにどこかにもたれてしまうくせが余計にそんなイマジンを増長させていた…朦朧とでも呼ぶべき呂律の回らない感覚の雪崩、どこかで初めに書かれるはずだった言葉が生き埋めになっている、そいつが見つかればもう一度血が通うだろうか?川に小石を投げるように時間が過ぎて行く、無表情なデジタルの表示は死刑執行人の目つきを思わせる―記憶は、あるようでない、すべては現実ではなかったことのように作り変えられる、人間は本当の意味で過去を鮮明に
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