浮/後期
 
フォームで
完結される 薄暗いテーブルの周辺から
押し殺しきれない歓声が、立ち上り消えて逝く
小さなエピソードが、かろうじて確保されている
わずかな位置にわたしは、頭から突き刺さる一本の棒だ

窓がある
青白い優しい光がある
遠い友人が教えてくれた小説を
目に入れようと血眼になっている
覚醒という振り出しに座り
容易く理解し得る輪郭の中で
どこまでものびる見知らぬ自分に
読み仮名を無限につけながら




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