この夜はあの夜/ホロウ・シカエルボク
街の灯が消えるころに
俺たちは跳躍を繰り返した
皮を剥ぐような風が
駆け抜ける午前三時
記憶のなかのサウンドのハイハットが
氷の割れる音に聞こえるような気温だった
あたためて
それは叶えられなかった
どんなに懸命になっても冷たいままだった
完全に閉じた心のような空が
冷やかすように小さな光を明滅させていた
戻れないことのほうが多過ぎるから
先に延びる道を気にかけるのか
あしあとを振り返ることも出来ぬほど
そこには怯えるようななにかが転がっているのか
チェインソーを手にしたアイツに追われ続けているみたいなそんな顔をしてさ
昔なにを売っていたのか分からない店のシ
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