屈葬のソネット/tonpekep
 
春になれば
全てがやさしく物音をたてる
物音は
ところどころにできた透き間を埋める

わたしは幾度となく
春の傾斜に耳を傾けてきた
わたしの骨は
せせらぎで作られている

ころがり落ちてくる
春の光の全てを埋葬する
地上に芽吹き始めたものたちに

または詩の中に折り曲げて
春は生まれるもののためでなく
死んでゆくもののためにあるのだ
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