売れない詩人と売れない詩集/こたきひろし
抱いていた
なのにどうしてそんなイヤらしい質問をしたのか俺自身わからなかった
「二つよ」KEIKOさんは何の躊躇いもみせず答えた
正解だな確かに
だが
そんな事は訊ねるまでもなくわかっていた
俺の質問の答えにはなってない
俺はそれから新たにとんでもない質問をした
「KEIKOさんってvirgin?」
するとKEIKOさんは顔色を変えて同時に俺の頬っぺたを右の平手で叩いた
俺はビックリして直ぐに謝罪した「ごめん」
するとKEIKOさんが言った「子供の癖に生意気言わないで」
でも、俺は子供じゃない KEIKOさんと同い年だった
きっとKEIKOさんは言いたかったんだろう
「チェリーボーイの癖に」って
俺はその時心のなかで叫んでいた
少しは俺にも愛をくれ
少しは俺にも愛をくれ
少しは俺にも愛をくれ
俺はその時未成年だった
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