冬空蝉物語/朝焼彩茜色
 
人の力ではどうしようもない出来事に
さらわれた
行方不明の親族の亡骸が
骨だけになってしまったけれど
見つけた
帰宅した
そのように 見ていた
私は
 七日間の旅立ちに巣立ちに
 見送りを身体で柔軟に感じた
 琥珀に透く守り神
 戦わない鎧 琥珀が掬う 守り神
 小さな魂の余韻を受け取った冬
 亡骸が帰って来たよと喜んだ
 亡骸という目にうつるもの
 お空にいったら見えないもの
 息はしていなくて動かないけれど
 亡骸が遺骨がそこにいるだけで
 救われた時間がある
蝉のブローチを胸につけた夏
お空の蝉
小さな魂
此処と繋がっているのを感じて喜んだ
私は
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